ステンレスの表面処理
電解研磨
研磨液(薬品)のなかで、電気を通す(電解)ことによって、金属表面の凸部(ミクロンレベル)
を溶出させることで平滑で光沢の有る表面にする。電気めっきと逆の理屈。ステンレスの表面に
食い付いている汚れや不純物を取り除き、酸化皮膜を強化するので耐食性が向上する。
酸洗(さんせん・さんあらい)
強酸性の薬液に漬けたり、ペースト状の酸洗剤を塗るなどして表面を溶出させて洗う。
光沢は出ないが、安価で大型の製品に対応できる。溶接焼けによる黒ずみを取るためなど、
外観を問題にしないものであれば酸洗でOK。ただし、光沢のあるところも、つや消し状態になっ
てしまう。低コストだが、劇薬使用のため専門業者(廃液処理設備)でないとできない。
バレル研磨
小物プレス部品など数の多いものを、研磨石や研磨剤(コンパウンド)のなかに混ぜ込み、
かき混ぜることによって研磨をする。かき混ぜるための機械の容器が、バレル(樽)のような形なのでバレル研磨という。砂の中で芋を洗うような理屈。端部のバリやトンガリを丸くする(面取り)とともに、研磨石の種類によって独特の表面仕上りになる。
ショットブラスト
製品に、小さな鋼球や石(研磨材)などを強く吹きつける(叩きつける)ことによって、バリを取ったり
磨いたりする方法(機械)。吹きつける素材(目的)によって仕上りが違う。砂のようなものを使う場合は、サンドブラスト。ガラスビーズを使うと、ビーズショットなどと呼んでいる。基本的には、つや消し状になる。
鉄製品の錆落とし・黒皮はがし・塗装の下地づくりなど、美観用途以外でよく使われる。また、ショットの
衝撃による表面硬化を利用して、製品の耐磨耗性(耐久性)を向上させる目的の場合もある。
コーティング・塗装
ステンレス製品にコーティングを施すこともよくあります。ゾル(塩化ビニール系)・ナイロン・
ポリエチレン・ポリプロピレン・テフロン(フッ素樹脂)などその用途目的によって様々なコーティング材
があります。ステンレスに、めっきや防錆処理をすることもあります。建材(屋根・壁)用のステンレス板
なども、装飾・防錆のため塗装されたものが既製品として造られています。
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